昨日の6話を朝早く起きて観ました。やっぱりリアタイに限る。逃げ恥の時も思ったけれど、これは夜観るモノです。朝はダメ。朝陽が眩しすぎる。(ブログ引っ越ししてます)
しかし言いたいことてんこ盛りで頭の中ぐちゃぐちゃしてるまま書いてるのでとっちらかった感じになると思いますがすみません。
私が最近楽しみに読んでいるこちらの感想などもどうぞ。
人生のことを(ミチ)と読むような男が男目線で歌うこんな曲をありがたがるのはいつも女。いつまでも女々しく昔の思い出に浸っているのは男。分かり合えないなら認め合えばいい。
3つのことについて書こうと思います。ざわざわポイント3つ。
1.クドカンのすごさ
クドカン俳優やってるってことは知らなかったわけじゃないし、「あまちゃん」「ごめんね青春」「ゆとりですがなにか」など、好き過ぎるドラマを作るひとっていうことでリスペクトしてます。
でもね、彼の雰囲気のぬめ~っとしたへびみたいな爬虫類性は正直得意じゃなかった。ごめんなさい。
すごいね、クドカン。俳優クドカン。マキさんの「夫さん」という、固有名詞もなければ死んでるかもしれない実体が全くない、「靴下だけのひと」。
マキさんが1話から話す夫さんのさまざまなエピソードだって、ほんとにほんとか?なんて誰もわからない。だってみんな嘘つきなんだもの。
でも、そのエピソードがね、ひとつひとつクドカンの表情とたたずまいと台詞で、それが現実だったんだと真実だったんだと彫像の肉付けが少しずつ出来上がっていくような、そんな立体感を感じさせてくれました。
1話でまきさんが話していた夫についてのこと、
「君の好きにしていいよって。君は君らしく、って。」
「いい、俺レモン好きじゃないからって。でも私2年間ず~っと彼の食べる唐揚げにレモンかけてたんですよね。」
「愛してるよ。愛してるけど好きじゃない… って。」
これが全部リアルに話された言葉で、どういういきさつでどういう会話でどういうすれ違いで、っていうことが6話で明かされて、私はものすごく落ちました腑に落ちました。ああ、そうか。そういうことでこうなってマキさんの1話の言葉があったんだなって。夫のクドカンが全部納得させてくれたんですよ。
「愛してるよ。愛してるけど好きじゃない… って。」
私、これを1話で聞いたとき、どういうことなんだろうってよくわからなかったんです。愛してるけど好きじゃない…???ううううむ。
でも、6話を観て、クドカンからこの言葉が出てきたとき、うんうんわかるわかるわかるよ~!!って心の中で叫びました。
2.ことばの多重性
私たちって知らず知らずのうちの比喩を使ってます。東芝の半導体事業は「虎の子」だし、人生は「旅」で「冒険」。
前半、マキさんが夫殺しをしているかもしれないというサスペンス風味の信ぴょう性を増した家森の台詞がありました。
「病院で3日めの夜、夫さんに打ち明けられたんだ。俺、ほんとは植木どかそうとして落ちたんじゃなく妻に落とされたんだよね、って。
このことを聞いた家森は、マキさんを強請ろうとしてカラオケボックスにいた。決して偶然じゃないこの出会いの理由がそこにある限り、家森の言ってることは嘘じゃないってことで…
マキさんが夫殺しをしたかもしれない疑惑と、今回わかった真実。正反対だった故にマキさんの気持ちが哀しくて切ないものだったけれど、じゃ、家森が聞いたクドカン夫のこの台詞はどうして??
ここに、脚本家が4話で蒔いておいた家森の台詞が多重性を持って迫ってくるんですね。
「おれ、妻に背中押されてベランダから落ちたんですよね。」
このクドカン夫の台詞は、決して文字通り、マキさんに背中を押されて落ちたわけじゃない。入院する前のシーンで、大空に泳いでいた凧が落ちるというものがありました。その時に、クドカン夫の心も落ちちゃったんでしょう。
どうしてか。それは、自分が好きで大事に思っている詩集のせい。マキさんに読んでほしくてプレゼントした詩集を彼女が読んでくれるどころか、鍋の下敷きに使ってしまったこと。
そこに至るまでもあれこれ行き違いやボタンの掛け違いがあっても背中を押されることはなかった。でも。詩集は別。彼にとっては妻が背中を押したも同然なんでしょう。
言葉の持つ力と共に、いくらでも意図を変えられるし、比喩的にもできるし、嘘だって本当だって纏えるんだってこと。
こわいこわいこわい。言葉ってこわい。それを使う人間こわい。
3.すずめちゃん
最後の怒涛の展開もあって、6話は和み癒し時間が少なかったんですが、すずめちゃんの可愛さは最強だなってこと。
ネットカフェの開いた扉から崩れ落ちるすずめちゃん。
クドカン夫と別荘に来て、「まきさん!!!」と叫ぶすずめちゃん。
クドカン夫の靴についた粉が強盗がかけられるアレってことを知って傘を雄々しく突きつけるすずめちゃん。
クドカン夫のくずっぷりを聞いて、はいはいもういいです、と蔑むすずめちゃん。
何より、3話でマキさんへの信頼と友情とちょっとした家族愛を持ち始めたすずめちゃんのマキさんへの愛がとても熱い。
父親が人間的にひどくて母親も亡くなっていて、家族のいないすずめちゃんがマキさんに姉のような母のような家族の像をみてしまうのは当然なことで、この二人の心穏やかな関係性が復活しますようにと祈ります。
マキさんは夫とやり直せず、すずめちゃんも父親を許せず、家森も子供とはもう暮らせず、別府さんは九条さんとの時間はもう戻ってこないっていうどこまで行っても不可逆な展開なんだけれど、どうか最後の最後で、それでもこんな希望が残ってるね、っていう奇跡を見せてほしい。ああ、元には戻らないけれどこんな着地があるんだって思わせてほしい。な。
よろしくお願いします。坂元さん。

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あじさい
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