[映画]「言の葉の庭」 3つの魅力

映画

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監督: 新海誠
原作: 新海誠
声の出演:入野自由   花澤香菜   平野文   前田剛     寺崎裕香

★★★★☆(4.2)

ストーリー:靴職人を志す15歳の高校生タカオは、雨が降るといつも学校をさぼって公園で靴のスケッチに熱中していた。そんなある日、彼は27歳のユキノと出会い、雨の日だけの再会を繰り返しながらお互いに少しずつ打ち解けていく。タカオは心のよりどころを失ってしまったユキノのために、彼女がもっと歩きたくなるような靴を作ろうと決心する。

「君の名は。」を観に行ってから10日くらい経って観てみました。「君の名は。」があまりにも衝撃的でびっくりしたので、同じ監督の作品っていうことでちょっと身構えました。

 

でもね。いい意味で「君の名は。」と違って、胸の中がじんわりゆっくり静かに熱くなっていくような、そんな素敵なお話しでした。

 

職人を目指す少年

主人公の少年、靴職人を目指してます。雨が降る中、スケッチブックに一生懸命靴のデザインを描いているのですが、それをみてたらある映画のキャラクターを思い出しました。

 

「耳をすませば」の天沢聖司。

 

主人公の女の子をストーカーばりの熱意で押す、熱い男子。彼はバイオリン職人を目指してたなぁと思い出し、なんだかこの天沢聖司とかぶって見えました。

 

若い時からそういう職人になりたいっていう大きな夢があるって、周りから弄られがちかもしれないけど、そういうコアな部分をしっかりもっているキャラクターは物語にかちっとはまることが多い気がする。

 

昨日、今日、朝ドラ「べっぴんさん」で、ベテランの靴職人が出てきたんですが、その仕事ぶりを丁寧にドラマの中で描写していました。思いを込めて作ることの大切さを力説していたのを聞いてたら、このタカオのことを思い出しました。

 

タカオは雨の中知り合ったユキノへ思慕の念をつのらせ、彼女のための靴を作りたいと強く思います。誰かを思って作るものには魂が宿るんだろうな、と想像してなんだかじんわり胸があったかくなりました。

和歌

この映画の魅力にはまた、話中で引用される和歌があります。

 

雷神(なるかみ)の 少し響(とよ)みて さし曇り

雨も降らぬか 君を留めむ

 

柿本人麻呂

訳:雷が鳴って 雲が広がり 雨が降ってくれたら
帰ろうとしているあなた きっと引き止められるのに

 

なんだかぼおっとするくらい甘い歌じゃないですか!万葉集を読んでいると、奈良、平安の時代のひとたちが今と少しも違わないってことがよくわかります。

 

誰がどんな場面でっていうことは書かないでおきます。これ書いちゃうとおもしろくないので。この歌には返歌があります。

 

雷神(なるかみ)の 少し響(とよ)みて 降らずとも

われは留らむ 妹し留めば

 

柿本人麻呂

訳:雷が鳴らなくても 雨が降らなくても
君が引き止めてくれたなら 僕はここにいるよ

 

この歌も話中に出てきます。そしてこのふたつの歌がこの映画の中でとても重要な役割をしてるんです。いろんな意味で。そしてタカオとユキノ、ふたりの関係がどうなっていくのか。最後までじっくり味わえます。

 

この歌があって、映画が作られたんじゃないかなと言うくらいきれいにはまっています。

 

雨。緑。

もう語る必要のないくらい、新海監督の映像の美しさはご承知の通りです。「君の名は。」はあまりに明るくて光が多くて目がちかちかするくらい眩しかったのですが、この「言の葉の庭」では、公園の緑がこころを落ち着かせてくれます。雨と緑。その描写を観てるだけでも癒されます。

 

しかし、雨を心待ちにするなんて!!にくいな~。雨が続いて気持ちが落ち気味になったらこの映画を観て、元気をもらおうかな。

 

ちょうどお天気が悪くて、なんだか気持ちもダウンな時に観たんですが、それがベストな鑑賞日かも。私たちのちょっと疲れたこころに効いてくる、とてもきれいでとても熱くてとても泣ける映画なのは間違いないです。


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お越し下さりありがとうございました。

あじさい

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