友人から是非にと勧められて観てきました。
その友人とはお互い同じ映画やドラマを観るまでは、ここがいいとかあそこがどうだとか、感想を一切言い合わないのですが、でも観てほしいと言う事はたぶん観るに値するものなんだろうなと。主演2人が映っているポスターの画像のみが全知識で観てきました。

ネタバレなしで書こうと思いますが、一切情報なしで観るのをお勧めします。
驚きの出演者たち
主演2人が永作博美、井浦新ということしか知らなかったので、出演されている俳優の豪華さに驚きました。
浅田美代子、若葉竜也、青木崇高、利重剛…
若葉竜也、青木崇高の2人が出てきたときには変な声が出そうになりました。あの役をねぇ、そうくるかあと。贅沢なキャスティング過ぎてびっくり。
浅田美代子のどっしり感、利重剛のあのイイひとそうなんだけど裏が透けて見える空気、さすがでした。
主演2人と、若手俳優、蒔田彩珠の凄みがね、すごかったです。(語彙力雲散霧消)あと子役さんの自然さ… これもまたすごい。
映画を実際見てくださいとしか…
ドキュメンタリーのよう
途中で、創作物に見えなくなってきました。
演技じゃなくて、真実のおはなしに見えてきました。
永作博美の目力とか、蒔田彩珠の思春期ならではの佇まいとか、井浦新の、自分に突きつけられた事実を受け入れようとする表情とか。
彼らが本当に当事者のように見えてきて、途中から涙が止まらなかったんですけれども、映画に入り込んで浮揚する感覚がぶゎぁぁぁぁって感じで。
皆に感情移入していることに気づく
栗原夫婦2人の側と、片倉ひかりの側と、それぞれの視点でのおはなしが丁寧に紡がれていきます。
そのうちに、どちらの物語にも感情移入していることに気づきます。深く深く双方の持つ感情をトレースしてしまって苦しくなってることに気づきます。
物語の積み上げ方の緻密さ
かなりの長尺です。丁寧に時間を重ねていくことでこちらに訴えかけるもの、制作者の思いの深さを受け取った気がしました。
片倉ひかりの家族の描写に対して特に感じました。家族のどうしようもなさの羅列というか、嘆息しか出てこない感満載というか、ほんとに苦しい…
光と影
原作が小説なのですが、それをどんなふうに映像化するかっていうのが原作ファンには楽しみでもあり不安要素でもあったのかなぁと、原作を読んでないので想像するしかないのですが…
光の使い方がとても印象的でした。
光を多用するということは、そこに影が生まれるということで…
全ての登場人物の人生に光多かれと祈りました。
原作ファンはどう感じたのかな… 文字の世界を立体化することで生まれるものがこの作品を深めていっていたらいいなぁと思います。
エンドロールが始まってもけして席を立ってはいけない
このタイトル通りです。
当たり前のことだけれど、席を立つ人が多いんですよね。残念なことに。今回もちらほらと。
この映画を観て、絶対立ってはだめ、との思いを強くしました!エンドロールが終わって初めて映画が終わるんだ、と。
映画を観る前と後で世界が違って見えてくる
映画館に入る前と後では自分が見える世界が違ってくるという映画があります。
これまでだと、
パラサイト 半地下の家族
わたしは、ダニエル・ブレイク
彼女がその名を知らない鳥たち
家族を想うとき
マンチェスターバイザシー
マッドマックス 怒りのデス・ロード
などがあるのですが、「朝が来る」もこの括りに入りました。観終わってからかなりの時間、気持ちがもっていかれ、この映画の強烈な余韻に漂う感覚をどうやって説明したらいいのかわかりません。
とにかく、観せてくれてありがとうという気持ちで溢れました。
終わりに
まだ映画館で上映されています。(2020年11月19日現在)
ぜひ!!
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お越し頂きありがとうございました。
あじさい
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