[ドラマ]MIU404 信じる信じない信じたい<2話ネタバレあり>

MIU404

2話を観た後、すぐに再視聴できないくらい、このお話が哀しくてしょうがなくて…

あらすじ。

金曜ドラマ『MIU404』
TBSテレビ:金曜ドラマ『MIU404』の公式サイトです。

伊吹(綾野剛)志摩(星野源)がパトロールをしていると、伊吹が隣を走る車に違和感を抱く。そんな中、警視庁から殺人事件の容疑者が凶器を持って逃走しているという無線が入る。容疑者の特徴から伊吹は、隣の車に容疑者が乗っているかもしれないと察知し、追跡する。

一方、殺害現場の初動捜査にあたる陣馬(橋本じゅん)九重(岡田健史)は、第一発見者の証言から凶器を持って逃走した人物が、加々見崇(松下洸平)だということを知る。加々見は、事件現場となったハウスクリーニング会社では真面目に働く社員だったという。

殺害された会社の専務との関係性を疑う中、陣馬は遺体周辺には血の掌紋が多数ついているにも関わらず、加々見が飛び出した部屋のドアノブには血が付着していなかったことを不可解に思う。

疑惑の車を追尾する伊吹と志摩は、運転する田辺将司(鶴見辰吾)と助手席の妻・早苗(池津祥子)が怯えていたことから、車内で夫婦を脅す加々見による“移動立てこもり事件”と見立て慎重に様子を伺うが、接触した田辺夫妻の妙な態度から事件は予期せぬ方向へと転がっていく…。

信じる/信じない

 

志摩伊吹車中メイン回でした。事件や被疑者加々見(松下洸平)への考え方を車中の対話(漫画みたいなケンカも含む)中心で見せる。

 

ロードムービー+逃亡劇。事件を通して2人の過去も炙りだす。

 

伊吹の過去も。

伊吹「俺の事信じてくれるわけ?容疑者が乗ってるってはなし」

志摩「あ?信じてない」

伊吹「なんだよ!!」

志摩「さっきの警官も信じてない。可能性がゼロになるまで確認はする」

伊吹「ああ~。他人も自分も信じないんだっけ。俺さ、昔からめっちゃ職務質問されんだよね」

志摩「だろうな」

伊吹「学生の時も、学校で備品がなくなったっていやぁ、教師は伊吹じゃねぇかっていっつも俺を疑われてさぁ。もう言い訳するのもやんなって、信じてくれなくていいや。だったら俺も誰も信じない。でもさ、居たんだ。たった一人だけ。信じてくれた人がさ。志摩ちゃんも俺の事信じてくれていいんだぜ♪」

志摩「結構です」

伊吹「なんだよ!」

 

そして加々見に拉致されていたはずの夫婦2人。

妻・早苗(池津祥子)「ほんとうに人を殺したの?」

加々見(首を横に振りながら)「僕はただ、毎日ふつうに働いて、今日だってただ、会社に行って、専務と話をした」

<映像>加々見「みんな困ってるんですよ。今の人数で回るはずないのに。業績の責任を社員とバイトのせいにされても困ります」

田辺将司(鶴見辰吾)(息子と写っている写真を見ながら)「信じる。私は君を信じる」

妻・早苗「私も」

 

伊吹を信じてくれたひとが一人居たからこそ、たぶんこうやって警察官になれたんじゃないか。

 

加々見も、この夫婦に「信じる」と言われたからこそ、自分の身の上はなしを話す気にもなったんだろうね…

 

信じたい伊吹と疑う志摩

伊吹「でもさ、考えてもみろって、朝会社来て上司が死んでたらびびるだろ?そこへ他のやつが来て、自分が犯人だと思われる。そりゃさ慌てて逃げたくなるや」

志摩「自分が来た時には既に死んでましたって正直に言えば済む話だろ」

伊吹「いいや、済まないんだよ、俺にはわかる。刑事になっても職務質問受ける俺にはわかる」

志摩「自慢げに言うな。たいていの犯人はやってないって言うんだ、やってても」

伊吹「なかには本当にやってないやつだっているだろ」

志摩「いないと言わないけど」

伊吹「志摩ちゃんさ、少しは人を信じてみなよ」

志摩「ばかか!!!」

<中略>

志摩「ひとつ言わせてもらう。俺たちの仕事は疑うことだ」

伊吹「ははははは。それ誰が決めたんだよ」

志摩「は?」

伊吹「加々見のこと信じてやる刑事が一人位いたっていいじゃんか」

志摩「だめだ!」

<中略>

伊吹「まぁでもさ、俺は信じてあげたいんだよね」

 

伊吹は加々見に同情も入っているのか同類のような匂いを嗅ぎ取っている感じがする。自分が疑われてばかりの伊吹は、加々見に自分を重ねてしまうんだろうな…

 

1話で自分も他人も信じないと言っていた志摩には暗い過去が見え隠れする。信じたい伊吹と疑う志摩の凸凹具合のやり取りが、軽妙だからこそ救われるのと、そこに見える2人のトラウマの重層感にいつのまにか惹きつけられてるのに気づく。

 

ひとは信じたいものを信じる

志摩と伊吹が加々見を追い詰める。が、そこに居た田辺夫婦が妨害、逃がしてしまう。

 

伊吹が加々見に自分を重ねたように、田辺夫婦が加々見に重ねたのは自分の息子だった。

 

盗みをしたと嫌疑をかけられた息子を信じてやれず自殺に追い込んでしまった夫婦は、息子に重ねた加々見をどうしても信じたかった。

 

しかし。

加々見が、この事件の犯人だと示唆していた人物がなんと東京で事件のことを知らないでいると連絡が入る。

 

志摩「人は信じたいものを信じるんだよ!伊吹も田辺さんたちも加々見がやってないと信じたかった。『俺はやってない』犯人はそう言うとき多くはごまかすためにだ。捕まりたくないから。だけどもう一つ。犯人自身がやっていない、と思いたい。自分のやってしまったことを認めたくないんです。できることなら罪を犯す前に戻りたい。なかったことにしたい。でも時は戻らない!!!!」

田辺「やってない、彼はやってない、やってないんだ無実なんだ!」

志摩「加々見は!自殺するかもしれません!!」

 

「時は戻らない」

志摩が自分の過去に起きた何かしらの事件or事故への思いを吐露したようなセリフ…

 

誰が犯人なのかがわかる瞬間

ここまで、志摩伊吹始め捜査班も、見ている私たち視聴者も、誰がほんとの犯人なのかわからないままでした。

 

演出の巧妙さで、加々見がほんとに殺したのかどうか、をわからせないできたんです。よく、最初から誰が犯人か視聴者にはわかっていて、それをどうやて追い詰めていくか、という刑事ものはよくあります。古畑任三郎とか。

 

でも、このMIU404第2話、志摩伊吹ら捜査班が犯人を特定するのと同時に、その犯人を視覚的にもこちらに見せるんですよ、ここのシーン、鳥肌たちます…

 

加々見がスーパーで、着ていた緑のパーカーを脱ぐ、そして包丁をそのパーカーに包んでそのまま逃走、白いセーターの胸に包丁を入れたパーカーを抱え走る。

 

志摩「え?そうですか、ありがとうございます。<電話を切る>現場にあった○○の鑑定結果が出た。加々見の自宅で採取した掌紋と一致」

伊吹が怒りと悔しさの表情で車のギアを入れ替える。

 

そして次のシーン、加々見が緑のパーカーを手に全速力で走るスローモーション。

白いセーターの胸が真っ赤に染まっている。

 

スーパーから逃げるときには見えてなかった真っ白なセーターの前の部分が、「掌紋が一致」し、捜査で科学的に犯人が加々見だとわかり志摩伊吹にも彼が犯人だと伝えられたのと同時に、彼が浴びたであろう真っ赤な返り血を見せることで、犯人が彼でしかない事実がわかるその流れ…

 

伊吹や田辺夫婦、(言葉とは裏腹に志摩もきっと)そして視聴者も、彼が犯人じゃないと信じたかった。

 

それなのに。

 

それがひっくり返る瞬間の真っ赤な色に泣きました。

 

命は取り返しがつかない

 

志摩「加々見さん、あなたは人を殺した。理由はどうあれ、命は取り返しがつかないんだよ」

伊吹「お前!!!!殺しちゃだめなんだよ!!な!!!相手がどんなにクズでも、どんなにムカついても、殺した方が負けだ。な… 無実でいてほしかったな…」

 

2人のセリフが、自分の過去の痛みを感じながら言ってるように思えてしょうがなかった…

 

松下洸平の繊細でびくびくした表情と、悔しさと後悔に暮れる涙が素晴らしかった。その哀しみの深さを表す演技がね、すごかった…

 

「無実でいてほしかったな」伊吹のセリフの後の表情のアップの数秒間。悲しさと悔しさと、でも彼を信じたことに後悔はないっていうような、ちょっとの間に複雑で混雑した気持ちを表せる綾野剛っていう俳優は…!!!!!

 

こういうのを見たいからドラマを観てるんだなって改めて思いました。

 

言いたかった「ごめんね」と言われたかった「ごめんね」

田辺夫婦が信じられなかった実の息子に言いたかった「ごめんね」。

 

親に虐待されたと思い続けてきた加々見が親に言われたかった「ごめんね」。

 

加々見が逮捕され、連行されるときに田辺夫婦がかけた言葉に加々見が少しでも救われたと思いたい。

 

田辺夫婦の持って行き場のない彷徨っていた気持ちが、加々見と出会うことで行き場を見つけたように見えてしょうがなくて…

田辺妻「加々見くん!!」

田辺夫「ごめんね、最後まで付き合うって約束したのに。ごめんね。いつかまた三人でドライブしよう!今度こそうどん食おう」

田辺妻「いつかまたね!」

田辺夫「あー!ごめんね!」

犯人だとわかっても、田辺夫婦が彼に掛ける言葉に涙が止まりません。

 

父親が死んでしまっていて復讐することすらできずに、謝ってもらうこともできなかった加々見が、どんな理由があれ人を殺めてしまった道を外してしまった彼が、出会った田辺夫婦からもらった言葉で彼のこれからがちょっとだけ明るいものになったら… と思いたい。

 

人は信じたいものを信じる。それでいいじゃないか。

分岐点

先に3話の感想を書いているので、後だしじゃんけんになってしまうけれど。

 

「誰に会うか会わないか」でその人の人生も変わっていくというのが根底に流れるテーマかなと思いました。と共に、「自己責任」で片づける社会へのアンチテーゼのようなもの。

<2話>

[過去]加々見はパワハラ上司に出会ってしまった。

[ドラマ内で]罪を犯した後に田辺夫婦に会った。

 

<3話>

[過去]その高校に入ってクスリ疑惑を起こす先輩に会ってしまった。

[ドラマ内で]ある生徒は伊吹と出会い、ある生徒は九重に出会った。

 

<4話>

[過去]ホステス時代に裏カジノに誘う客に出会ってしまった。

[ドラマ内で]街中にある一枚のポスターに出会った。

終わりに

信じること、疑うこと、志摩や田辺夫婦の過去の後悔、加々見の後悔、それを埋めあえる可能性があるかもしれない人と人との関係を多層に描いてました。

 

志摩伊吹コンビの相似。実は凸凹に見えて、流れてるものは同じかもしれない。

 

しかし。主題歌「感電」の流れるタイミング、神がかってませんか。

 

それでもって、「たった一瞬の このきらめきを」が入ってくる場面がね、加々見が田辺夫婦に(だと思われる)深々とお辞儀をしたところだった。4話の青池の時もすごかった。

 

音楽が与える効果のものすごさを感じます。物語のうねり、憎しみと許し、人の生き死にに関わるやるせなさと悲しさがクライマックスに達した時に「感電」が流れ、見ている方に「稲妻」が走る感じ…

 

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さて今日は5話。伊吹の恩師が出てくるらしい。彼を唯一信じてくれた人だろうか。

 

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お越し頂きありがとうございました。

 

あじさい

 

 

 

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