久しぶりの映画。
キャスト
黒川芽以(タカコ)
臼田あさ美(ケイコ)
中村倫也(園木)
田中圭(矢田部)
監督 大九明子
原作 とあるアラ子
脚本 じろう
★★★☆☆(3.5)

引っかかっていたこと
実は、観る前からちょっと引っかかっていてですね。「美人」という言葉。まず今、「美人」ていう言葉を使って映画にするのはどうなんだろう。
「ブス」という言葉が入ってるドラマに抗議がきて名前変えたらしいけれど、ブスはダメで美人はいいのか?今この時代にこのタイトルにするっていうのがどうしてもバズ狙いにしか思えなくてつらい。違うかもしれないけど。
もっと掘り下げた内容だったらまだそんなに不満も出てこないけど、本人が「どうしてこんなにひとりなんだろう」っていうのがあまり迫ってこないし、それぞれ登場人物の掘り下げが中途半端で上っ面で終わってしまって残念な感じ。
よし、美人という言葉を使うとして、私の感覚では友人の方が美人に見えてしょうがなくてそれが最後まで気になってしょうがなかったというのがほんとのところでもあります。
辛口
いきなり主人公がいう「死にたい」の意味がよくわからなくて困りました。居酒屋で友人(臼田あさ美)とその死にたいについてああだこうだ話をするんですが、そこがね、面白くなくて最初なのに導入なのにどんどん困りました。
登場人物の造型も過去もちょっと薄い。もっと掘り下げられなかったのかなぁ… 脚本がシソンヌのじろう(LIFEの黄金原さんとっても好き)なんですけれど、クスクス笑えるところはたくさんあったんですよ。だからそっち方向に走ってしまってお話そのものは二の次だったのかなぁと邪推してしまいました。
楽しんだ!
さて辛口はここまでにして。
いや、楽しかったんですよ。全体的に!たくさん笑いました。まず男性2人の持つ雰囲気と巧さに引っ張られてそれぞれの役が生きてました。園木(中村倫也)の表情良かったなぁ。めんどくさい感じを出すのは俺に任せろ、とばかり、カメレオン俳優と呼ばれてる彼の真骨頂でしょう。足のステップのところとか。ほんとにやりそうだし。
そして矢田部(田中圭)。歯科医で自惚れ屋で世の中の女全員俺に惚れるでしょ当たり前だよねっていう雰囲気出すのほんと巧いし、そんなキャラのイメージ付いてるから、もう彼にはみんなが唖然とするような役をオファーしてください、映画関係者さま。
そしてタカコの友人役、アキコ。彼女が置かれてる状況がすこおしだけわかる描写があるんだけど、もっと知りたいって思いました。実母との電話の場面での怒りと涙が良かったなぁ… それからタカコとケンカするところ。思ってること吐き出していく感情の昂りの出し方が秀逸だった。ほんと臼田あさ美の持つ深さみたいなところが好きです。
最後に
タカコがそういう選択をするなぁっていうのは予測ができてました。自分が本当は何をしたかったのかわかる為に必要だった時間と経験。婚活っていう斬り方であぶり出されてくる、ひきずっている過去とか見失ってるものとかそういうのをタカコと一緒に体験していく映画だった。
「どうしてこんなにひとりなんだろう」っていう主人公の嘆きが、ラストのスキップで昇華していくように思えました。
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お越し頂きありがとうございました。
あじさい
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