マスカレードホテルを観に行ってきました。

原作:東野圭吾
監督:鈴木雅之
出演:木村拓哉(新田浩介)長澤まさみ(山岸尚美)小日向文世(能勢)
★★★☆☆(3.8)
小説が先か映画が先か
随分前に、東野圭吾のこの小説が映画化されその主演に木村拓哉と長澤まさみが選ばれたとニュースになっていました。家族が買ってきていた小説をたまたま見つけ、お正月に一気に読みました。
小説を先に読んでしまうと映画を観る時にワクワク感がなくって高揚感もなくって面白くないかなとも思うし、今回みたいに先に小説を読んで、それをどうやって映像化するのかを知りたいなぁと思うときもあるし、皆さんはどちらがお好みですか。
白夜行
東野圭吾と言えば、白夜行を思い出します。ドラマをAmazonプライムで観始めてから原作が気になって読んで、ほんとどちらも素晴らしかった!!ドラマは原作通りではなくて、主人公のイメージ、二人の関係の暗さなど思ったよりも違っていて、それぞれの違いを楽しむ作品でした私にとって。
謎解き
原作読んだ時にも思ったけれど、映画でも謎解きに関しては二の次のように思いました。どうでもいいとまでは思わないけれど、それほど驚嘆するような謎解きでもなかったように思ったりしてます。
ミステリーの面白さの一つが誰が犯人だろう、どんなトリックがあるんだろうというのがあると思うのですが、この作品に関してはあまり突っ込んで考えなくてもいいかなと。分かりにくいわけでもないのだけど、すっごい!!とまでは思わなくて。
そこをすっ飛ばして読んでも/観ても楽しめるから!
小説を読んでから観に行く楽しみ
主演二人のキャスト以外、誰がどの役をやるのか、の情報をわざと出してないみたいです。ネタバレを踏まないようにするにはそういう情報も目にすることなく映画館に行くのをお勧めします。(私はたまたま読んだネットの情報で犯人を知ってしまいました… 後悔しきり)
実際映画を観ながら、過去作品での共演を思い出して、ああああ、そうかぁ!と楽しんでください。
小説を読んでから観に行くことの楽しみの一つが、小説で自分の中に出来上がった登場人物をどのような俳優さんが演じるのかっていうのがあると思うんですよ。
今回の人物はかなり上手に選んだんじゃないかなと思います。小説読んでいるうちに、主演の二人はあの二人が乗り移ってきたし、過去作品でバディを組んでた人同士が今度は違う形で出会ったりもしたりで、なかなかこの部分楽しめて満足でした。
原作通り
白夜行と違って、映画は原作にかなり忠実でした。ひとつひとつの事件への伏線も、出てくる客の事情も。
ただやはり、原作全部を2時間半に収めるのは無理なので端折った描写もあって、特に主演ふたりの関係の変化に関してはもうちょっと、詳しく入れても良かったかなぁ。
そしてラスト。さらっと終わっても?と残念だったりしてます。そこまで忠実でなくても…
後ひとつ気になったのは、アップが多いこと!そこまでアップにしなくていいのにって気になりました。テレビっぽい演出で興を削がれた感はあります。
小説という媒体と映像で見せるのとではこちらが受け取る情報が違うんだなぁと結構驚きました。
小説だと蛇足にならないのに、映画でそれをやられるとちょっとやりすぎでは?なんて感想が出てくるからやっぱり映像化するって難しい。
バディ誕生?
木村拓哉に絶対譲らない負けないキャラとしての長澤まさみが素晴らしい。
役どころがもちろんそうなんですが、キムタクのアクの強さを受け入れて流さずに押し返すキャラにぴったりでした。スタンディングオベーション。
バディものが大好きなのですが、この作品の続編もあることだし興行成績も良いみたいだし、これは新しいバディが生まれたかもしれませんね。
それぞれの仕事に誇りを持って信念を貫こうとしながら、事件を解決していって、ちょっとしたロマンスも。
委ねるだけ
とにかく、映画館という広い場所で大きなスクリーンで時間も頭も身体もただそこに委ね、始まりからラストまでノンストップで駆け抜けるだけ。
ホテルの豪華絢爛さと、キャストに仕掛けられてる遊びと、主演ふたりの関係が小さい事件毎に変化していくのを台詞と表情を見ながら楽しんでくださいね!!
個人的にはキャストの中で好きだったのが篠井英介でした。出番は短かったけれど、かっこよくて声が良くて惹かれました。

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お越し頂きありがとうございました。
あじさい
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