19歳の娘から、椎名林檎の新譜が良すぎて3日間ずっとリピートをしているとのLINEが昨日来ました。
初めはスルー
テレビでちらっと見たんですが、GINZA SIXという銀座の新しい施設のコマーシャルの歌と聞いて、なんとなくスルーしてました。
あまりに彼女がしつこく聴けと言うので、iTunesでダウンロードしてみましたよ。
そうしたら!!!!
これがね、泣きました… 不覚にも。
歌詞のいろいろ
始まりはちょっと「真夜中は純潔」を思い出すようなちょっと不安な感じでフランス語と英語のイントロ。
誰も知らない私が何なのか
当てにならない肩書も苗字も
今日までどこをどう歩いてきたか
わかっちゃぁいない 誰でもない
ぱあっ!!と始まるこの歌詞でノックアウト。
うわぁ、こう来たかぁ。こころを掴まれるってこんな感じ??
全歌詞を載せるのは著作権に違反するので書けませんが、こちらでチェックしてくださいね。
つらい仕事にご褒美がないときも
惚れた人が選んでくれないときも
不幸だった訳がわかっている今は
損しただなんてまるでおもわない
うまく言えないけれど、誰もが、毎日誰かと繋がったり繋がらなかったり、喜んだり悲しんだり、うまくいかなかったりうまくいったり、そんな当たり前だけれど大変な日々を送っていて、それを、こんな風に言葉で切り取って歌に乗せたのを聴いて、涙が出てきたんです。
最期の日から数えてみてほらご覧
飛び出しておいで目抜き通りへ!
これが最後の歌詞。
「いのちの使い道」、「あの世でもらう批評」、「永い眠り」、死を予感させる言葉を散りばめて、最後に「最期の日」ときます。
こんなに明るいメロディライン。高揚感。MVはまるでララランドみたい。それなのに、この歌詞。この落差にどすんと来ます。
そういう言葉を使いながらも、「目抜き通りへ飛び出しておいで!!」っていうメッセージ、これはもう全世代に対する応援歌としか思えないんですよね。
いや、やっぱり私のようにアラフィフ、そして上の世代かな。
もう人生折り返し地点は過ぎている。若い時のようにバリバリと、ドンドンと、上昇していく局面はとうに終わってしまっている。
先が見えない。展望や希望をナイーブに持てる年齢でも、もうない。でも、まだ終わりではない。あとの時間をどう過ごすのか、それは私たち次第。
「生きている間ずっと」「本番さショータイム終わらない」
だから。
「目抜き通りへ飛び出しておいでよ!」
って背中を押してくれて、一緒に踊ろうって言ってくれる、そんな鼓舞ソング。
トータス松本との共演
これはほんとに必聴ですよ…
今までも「流行」でMummy-D、「二時間のバカンス」で宇多田ヒカル、他レキシなどとデュエットをしていますが、トータス松本とは……割れ鍋に綴じ蓋感がすごい!!
ウルフルズのアルバムも聴いたことはあるけれど、本人ひとりが歌っているときには感じなかったような色気が全面に出ているんです。これは椎名林檎のプロデュース力あっぱれというしかないですね。
刹那を
ああ、いのちの使い道は
すれ違いざま笑って返す
ほんの一瞬
椎名林檎の歌の魅力は、一瞬を切り取る、その刹那の切なさだったりもの哀しさだったりするのですが、やっぱりこの歌も、刹那を全力で生きることを高らかに歌い上げてます。
今この一分、一秒は、何も考えずに何の逡巡もせずに過ぎてゆきます。そしてそれが毎日繰り返されることに私たちはさほど疑問を持ちません。
今日がそうだったように、明日も同じ日が始まって終わっていく。そんな風に思って過ごしています。
でも果たしてそうだろうか。
今日と明日は同じ日なんだろうか。
そんな問いを、緩やかに、間接的に突きつける彼女の歌に惹かれるのはやっぱり理由があるんだと思います。そして今回もまた、椎名林檎がそんな問いを織り交ぜながら立体的に作って見せる歌の世界が、とてもとても好きだなぁとリピートしているところです。
2018年のコラボは宮本浩次!!!
年末の紅白にも魅せてくれました。
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